楽しく過ごしたかったはずが、いつの間にか言い負かす、自分の正当性を認めてもらう、相手に非を認めてもらうといった目的に変わってしまう。
また二人で笑い合える日々を送りたいと思って、一度は仲直りをしても、気が付いたら怒鳴り合いに…。離れていても頭の中では相手と言い合い…。
毎日のように喧嘩をするカップルの日常はそんな感じなのではないでしょうか。
僕達カップルも、少し会話をするたびに喧嘩…というくらい喧嘩をする日々を送っていた時期があります。仲直りしたと思ったら、その10分後に怒鳴りあっている…なんてことも珍しくありませんでした。
1日に3ラウンドの喧嘩もよくあり、何のために一緒にいるのか分からなくなることも…。ちゃんとカウントしたことはありませんが、月に50回は喧嘩をしていたと思います。
そんな毎日が喧嘩だった僕達ですが、今では月に2~3回程に激減させることができ、あの時と比べて二人で幸せに過ごす時間がかなり増えました。
ここでは、どうやって僕達カップルの喧嘩を減らせたのか、その方法についてお話します。
自分の気持ちを知る
喧嘩を減らすために、最初にやっておくべきことは、自分の気持ちを知ることだと僕は思います。
こうやって言うと、相手が悪いのにどうして?と思うかもしれません。僕自身、ツムギ(彼女)から「もっと自分の気持ちを知ったほうが良い」と言われたのですが、正直「ふざけんな!」と思いました。
なんなら、「お前の方が考えろ!」とすら言い放っていました。喧嘩の原因を押し付けられた=お前が悪いと言われたみたいで、激怒したのを今でも覚えています。
とはいえ、一度自分自身と向き合ってみた結果、本当にそれが大事なことなんだと気付かされました。
相手の気持ちを考えようと言われることがあります。確かに、それも大切です。
ですが、相手の気持ちなんて正確には分かりません。勝手に推測して失敗することもあります。
そもそも、気持ちが分かったところで、譲れないところは譲れません。自分が折れる形になったとしても、それでストレスを溜めてしまうかもしれません。
僕はそのタイプの人です。気持ちを察する力はあると自分では思っていますが、分かってしまったことで自分の気持ちを封印し、結局イライラしてしまったことが何度もあります。
だから、人の気持ちを考える前に、自分の気持ちと向き合うことが大切だと思ったのです。
自分の気持ちを知る方法
自分の気持ちって、突き詰めて考えていくほど、知らなかった部分が浮き彫りになってきます。
僕の場合、ツムギが責めるから怒りが湧いてくると思っていたのですが、実際はただ自分がコンプレックスに感じていることが原因でした。
自分の気持ちを知るためのコツは、色々な質問を自分にしてみることです。例えば、こんな質問です。
僕は、仕事を頑張っているのを認められたいのに、「こんなやり方じゃあ全然足りないよ」と言われた悲しみで怒ったことがあります。
最初はただムカついたから怒ったと思っていたのですが、実際はただ自分を認めて欲しかっただけということに気が付きました。
こうして、自分の本心と向き合うことはすごく大事なことなんだと思います。
本当のストレスの理由がわからなくなることも…
ツムギの雑なところに怒っていると思ったら、実際はもっと仕事をして欲しいことにイライラしていたことがあります。
ゴミ箱にティッシュがちゃんと入っていなかったリ、油汚れが残っていることに、グチグチ文句を言ってしまったのです。
当時は、本当にどうにかして欲しい部分でもあったので、自分自身が本当にそれで怒っていると思い込んでいました。
気付いたきっかけは、ツムギの「いつもはこんなにしつこく言ってこない」という一言でした。本当に言いたいことを隠しているのですから、いくら言ってもストレスが解消されるはずはありません。
それどころか、僕が注意するたびに「それってそんなに重要なことなの?」みたいなスタンスで言い返してくるもんだから、余計に怒り狂っていました。
でも、冷静になって考えた時に、あの時は仕事をして欲しいと言い出せなくて、そのイライラをぶつけてしまったんだと気が付いたのです。
それから、自分が怒った理由、イライラした本当の原因などについても考えられるようになりました。そうすることで、喧嘩が格段に減ったのです。
誰も間違っていない
僕は基本的に、どっちが正しい・間違っているみたいな考え方はしないのですが、喧嘩になると「自分が正しい、お前が間違っている」みたいな思考が強くなってしまいます。
喧嘩が始まると…というか、イラッとし始めると、自分の正しさを主張したくなってくるのです。
ですが、どっちも正しいと自分に言い聞かせることで、イライラをかなり抑えられるようになりました。
例えば、「ここに物を置かないで」と言われると、「別に良いだろ」と思ってしまうところを「確かにここに置かれると邪魔だよな」と置き換えて考えてみる。
それだけでも、イラッとする気持ちがなくなりました。試しにやってみてください。スーッとイライラがなくなっていくのが分かりますから。
「確かに」から入る
考える時のコツは、最初に「確かに」とつけることです。できることなら、実際に口に出したほうが良いでしょう。
「いや…」とか、「っていうか」のように、否定を前提とした言葉から入ると、嫌な理由やダメな理由が勝手に出てきます。
ですが、「確かに」と口に出してみると、勝手に肯定的な言葉が出てきます。
人は問いかけられると答えてしまうという習性があるそうです。それに似ているのか、「確かに」と最初に付け加えてみるだけで、不思議と納得してしまいます。
言われた方も、自分の意思や意見を尊重してもらえた・聞いてもらえたと感じますので、冷静に話し合いができるようになります。試しにやってみてください、彼女の反応がガラッと変わりますから。
暴論にも一理ある
どんな暴論にも一理あると言われています。
そもそも、暴論と言っても、言われた側が暴論と感じるだけで、主張している側にとっては理屈が通っていると思っています。
育ってきた環境や関わった人によって、考え方は物の見方はガラッと変わります。ただ、自分にはない価値観や理屈を主張されると、暴論だと感じているだけなのです。
自分の考えや常識が正解だと思い込まずに、相手には相手の常識がある。そう考えているだけでも、相手の意見や考え方に対してイライラするのを抑えられます。
この考え方を身に付けておくと、カップル間だけでなく、対人関係全般でストレスを軽減できるようになりますよ。
自分主体で話をする
僕は喧嘩に発展する直前のセリフって、「お前が…」とか「お前だって」というように、相手が主体になっていることが多いのに気が付きました。
僕は基本的に指摘されるのが苦手なので、「〇〇しないで」とか「○○して」と言われると、嫌な気持ちになってしまい、それから喧嘩に発展していたのです。
ですが、自分主体で話をするようになったら、喧嘩に発展する確率が大分下がりました。
ツムギから「週に2回はゲーム棚(ソフトが並んでいる棚)のホコリ掃除してくれない?」と言われた時、「今は忙しいから、新しい習慣を取り入れる余裕がない…」と言ったことがあります。
正直、怒られてしまうかな?と不安になりましたが、「じゃあ、余裕が出てくるまでは私が代わりにやっておくね」と言ってくれました。
自分主体で話をするというのはこういうことなのかというと少し疑問はあるものの、この伝え方で上手くいったのは嬉しかったです。
僕の場合、相手主体にしてしまうと怒りをぶつけてしまうことが多いので、喧嘩の原因になることが多かったです。
ですが、自分主体で話をするのを心掛けると、上手く話し合いができるようになりました。
相談する気持ちで話す
ツムギに対して、何かを直して欲しい時や頼みごとがある時は、なぜか断られる前提で話をしていました。
それなのに、実際に断られたら断られたでムスッとしてしまい、喧嘩に発展することがありました。僕はなぜか断られることが苦手なもので…。
なので、相談するような感覚で話すように心掛けました。
「○○したいんだけど…」とか、「ここを直して欲しいんだけど」という感じです。相談なら、相手が断ることも視野に入れていますので、ムスッとすることもなくなりました。
それどころか、快く了承してもらえる可能性も高くなりました。
親しいからこそ慎重に
カップルや夫婦は、親しくなるほど相手が自分に合わせるのが当たり前…というか、そうしないと困るみたいになってしまうことが多いです。
こんな風に考えていませんか?
こんな風に考えていると、断られたり考えを否定されるとついついムキになってしまい、喧嘩に繋がるリスクが上がります。
心当たりのある人は、相談を持ち掛けるという気持ちでやってみてください。
頼み方ひとつで気持ちが変わる
人って不思議なもので、同じことをお願いするにしても、頼み方ひとつで結果が変わることは珍しくありません。
「今日絶対洗濯しとけよ!」というのと、「着たい服があるから今日洗濯してもらえると助かる」というのとでは全然違いますよね。
お互いに良い気持ちで過ごすためにも、どんな風に話をするのかはすごく大切なのです。
理由が適当でもOKしてしまうのが人の心理
人の心理で面白い実験結果が出ています。
コピー機の順番待ちをしている先頭の人に対して、3通りの聞き方をしてみたそうです。
②急いでいるので先にコピーを取らせてもらえませんか?
③コピーを取らないといけないので、先にコピーを取らせてもらえませんか?
よく読んでみると、③は譲ってもらう理由としてはかなり弱いですよね。コピーを取らないといけないのは並んでいる人ならみんな同じなのですから。
ですが、面白いことにOKを出してくれた人の割合は、①は60%、②は94%、③は93%という結果が出ました。
この結果から、適当な内容でも何かしら理由らしきものがあれば、OKをもらえる可能性は十分にあるということです。
もしかしたら、相談する感覚でお願いをする時って、何かしら理由を付けるだけでも良いかもしれませんね。
我慢は意味がない
喧嘩を減らすために、色々なことを試してきた僕達は、一つ確かなことを発見しました。それは、我慢は意味がないということです。
いつか絶対に爆発して、怒り出し、喧嘩に発展します。
我慢するという言葉には、「嫌だけど」とか「本当は許せないけど」というのが隠れています。ということは、それが起こるたびにイライラするということです。
例えば、トイレから出たらドアを閉めて欲しいと思っているとします。相手にその習慣がないなら、開けっ放しになっているドアを見るたびにイライラするでしょう。
確かに、我慢していれば喧嘩の回数自体は一時的に減るかもしれません。でも、ストレスは確実に蓄積されていきます。
では、その溜まったストレスはどうなるのかというと、他の小さなことにも今まで以上にイライラするようになります。少なくても僕はなりました。
そして、何か理由をつけてはチクチク文句を言うようになり、耐えられなくなったツムギが怒り出し、そこから喧嘩へ…。
我慢するという選択は、簡単で手っ取り早いように思うかもしれませんが、それを続けるのはすごく難しいです。というか、個人的には不可能だと思っています。
落としどころを探す
喧嘩の回数を減らすには、しっかり話し合うことが大事です。もちろん、お互いに怒っていない状態で。
結果的に何も変わらなかったとしても、話し合って出した答えなら、許せるようになることもよくあります。
相手が「変えるのはどうしてもできない」と理解できたら、あなたは「それは仕方ないね…」と許せるようになるかもしれません。
相手は相手で、許してくれたあなたのために変わる努力してくれるようになるかもしれません。
話し合い、あなたの気持ちを伝え、相手の気持ちを聞く。それだけで許せるようになることもあるのです。
ただ、「相手が効く耳持たないんだけど…」という人もいるでしょう。
そんな時は、落としどころがないか考えてみてください。例えば、「他のところではしっかりしているし…」とか、「毎日働いて家計を支えているし…」とか。
自分に目を向けて、「○○の部分を支えてもらっているし…」「自分も○○ができていないし…」と考えるのもおすすめです。
落としどころが見つかれば、自然にストレスも減ってきます。
落としどころが見つからないのなら、大喧嘩を覚悟してでも話し合いをするか、それが難しいなら別れを視野に、付き合いを考え直した方が良いかもしれません。
毎日喧嘩をしてしまうカップルによくある悩み
相手が聞く耳を持ってくれない
A まずは相手の言葉に耳を傾けてみる
喧嘩中というのは、自分が言いたいことを主張しがちです。
そして、言いたいことを主張している時、相手の話を聞いているようで全然聞いていなことが多いです。
その結果、二人とも疲するただけで何の収穫も進展もなく終わってしまいます。
まずは、そのことに気が付いたあなたが、相手の言葉に耳を傾けてあげてください。
それだけで冷静に判断できるようになります。加えて、話を聞いてもらっている方も気持ちが落ち着いてくるので、冷静な話し合いができるでしょう。
毎日喧嘩しているけどもう別れた方が良い?
A 内容による
毎日喧嘩をしているからと言ってダメということはありません。
喧嘩をしている時以外はどんな会話をしているのか、喧嘩の内容はどういったものなのかで変わってしまいます。
普段から険悪ムードなら、一緒にい続けるのは厳しいでしょう。喧嘩以外の時に笑い合えているのなら、決断するのは早いかもしれません。
喧嘩の内容については、ちゃんと話ができているなら良いのですが、ただただ罵倒し合っているだけなら一緒に生活するのは難しいです。
また、一つの大きな問題がきっかけで毎日喧嘩をしているなら、その問題が解決したら喧嘩が収まる可能性があります。
絶対に相手が間違ってるんだけど!
A どんな考え方にも一理ある
上でも伝えたのですが、完全な間違いというのは滅多にありません。時代や地域が変われば、常識やマナーも変わります。
あなたが理解できないだけで、相手には相手の価値感や理論があります。
逆に、相手から見るとあなたの言っていることが間違っていると感じるのかもしれませんよ。
喧嘩をしている時でも「一理あるかも」という思うことが大切です。
素直に謝れない…
A 謝れない理由を考えてみる
謝れないには2つのパターンがあります。
1つ目は本心では自分が悪くないと思っているパターン、2つ目は悪いと思っているけど言い出せないパターン。
まず、本心では自分が悪くないと思っているパターンでは、そもそも謝りたくないという心理が働いているから謝れなくなっていると考えられます。
そんな時は、自分が失敗したと思う部分をピックアップして謝ってみてください。
例えば、「大声出してごめん」とか「強く言いすぎた」とか、喧嘩になっている以上、何かしら謝るポイントはあるはずです。その部分だけを謝るだけでも良いでしょう。
悪いと思っているけど言い出せないパターンの場合、謝罪を聞き入れてもらえるか不安に思っていると考えられます。勇気を出して謝っても、そこを責められたり、許してもらえないと思っているかもしれません。
僕自身、不安に思って謝れないパターンが多かったです。
この場合、許してもらうために謝罪をするのではなく、相手の傷を癒すためだと考えた方が謝りやすいです。
後は謝って許してもらう経験を積んでいくこと。その経験を積み重ねていくことで喧嘩を減らすことができるでしょう。
価値観が違いすぎて辛い
A 価値観の違いは問題ない
価値観の違い自体は問題ではありません。価値観の違いを指摘したり、拒絶するから喧嘩になるのです。
細部まで価値観が同じ人はいません。好きな料理、好きな色、趣味など何かしら違う部分はあります。
あなたが青色が好きで相手が緑色が好き、これだけでは問題ありませんよね。ですが、もし「いやいや、青色が好きっておかしいでしょ」って言われたらどうでしょうか。
怒るまではいかないにしろ、きっと嫌な気持ちになってしまうと思います。
ですが、「ふーんそうなんだ」というくらいなら喧嘩にはなりません。むしろ、「青色は爽やかで良いよね!」と価値観の違いを認めてもらったら嬉しくなるはずです。
好きな色くらいでこんな気持ちになるのですから、大切にしているものなら感情が大きく動くのは当然です。
価値観が違うのは当たり前、むしろ同じならラッキーくらいに捉えて、その価値観の違いをどうやったら埋められるのか、どうやったらお互い気持ち良く暮らせるのかを考えてみてください。
言わなくても分かって欲しい
A 無理です
言わなくても分かって欲しい、察して欲しいというのは女性に多い考え方だそうです。
言わずとも分かってもらえるというのは、それだけ自分を見てくれている訳ですから、嬉しくなりますよね。ですが、だからと言ってそれを求めるのは違います。
人は口にしないと分かりません。言いにくいことがあったとしても、伝えないと分からない、分かってくれたらラッキーくらいに思っておいてください。
まとめ
カップルや夫婦には、独自の不思議なルールが定められていることは珍しくありません。それは、二人が上手くやっていくためのルールです。
一般的な方法が上手くいかなかったとしても、意外な方法がカチッとハマって喧嘩が激減することはよくあります。
「普通は…」なんて考えずに、自分達ならどんなルールが合うのか、色々試してみてください。
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